テキストサイズ

闇の王と光の騎士

第16章 闇の王の粛清

コロシアムは突然のビッグイベントが開催されるとあって客席は賑わっていた。

貧民が苦しむ反面、富裕層は更に金が貯まる。
コロシアムに観戦に来ている富裕層たちは戦勝の余韻に浸り、興奮していた。

遥風が戦うメインイベントの前に魔界から連れてきた幼い魔族を闘技場に連れ出し、それを剣士が殺すという悪趣味な戦いに沸いていた。


「下らんな……」

その様子を見ていたももは将軍は眉を潜めて吐き捨てた。

コロシアムでの戦いでは重装備は認められていない。
肩当てだけをつけたももはは屈伸などで身体をほぐす。

彼の登場するメインイベントまではあと少しだった。

「なぜ俺がこんな見世物に出なくてはならないんだ?」

「そう言わずに。将軍は今や国民の英雄なんですから」

お付きのものが宥めながらももはの戦斧を磨く。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ