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∮恋密度∮官能短編集 先生&生徒

第1章 純愛指導



「起立!…礼!‥」


歴史の授業が始まった。


「内田ちゃん寝不足?」


「あーなんで?」


一番前の女子生徒の問いかけに教科書を開きながら俺は聞き返す


「眼が赤いからぁー」


「そうか?だったらお前のせいだな」


「なんでよぉ!」


「どうすればお前が歴史の年号を覚えてくれるか寝ずに考えたからだよ!」

「なによそれぇ〜
でも、出来の悪い生徒ほど愛しいでしょ♪?」


「なんだそりゃ!?」




「えー、それで内田ちゃんに愛されるならアタシも出来の悪い生徒になるぅ!」

「俺もー!!」


「‥‥お前らそれ以上、どうやって出来を悪くするんだ? それ以上成績下がったら俺は感動しちゃうぞ!?」


「それひどいー!!」


そう言った生徒の言葉でクラスは大爆笑だった。


‥よかった‥
いつも通りにできてる‥



生徒達の笑いに交じって相田の笑顔が見えた


「相田!!黒板は全部写したか?字を写すのがお前は遅いからな」


「え、あっまだ‥」

そう言って慌ててノートをとる相変わらずな相田に笑みが溢れる。
俺は相田のために黒板の字をゆっくり消してやっていた‥

「先生、後で俺のノート貸すから全部消していいよ」

「──!……そうか?」

チャンスだとばかりに言った高木の言葉が胸を締め付けた

後ろの席でコソコソと合図を送り合う二人に抑えきれない感情が沸き上がる。


相田に想いを寄せていると知ってからは高木の行動が嫌というほど目についてしまう。



授業に集中しないと‥


そう思いながら黒板に字を書く間もボソボソと二人で話す声だけが耳についた


何を話ているのか気になる。


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