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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第8章 ☆想いと言葉

「……翔ちゃんは、結婚記念日なんてどうでもいいんだね」




私がポツリと呟いたので、翔ちゃんは顔を上げる。




「…………?」

「私に任せるって言うだけで。
どうせお祝いなんてしなくてもいいんでしょ」

「彩?
誰もそんな事言ってないだろ」




翔ちゃんはビールを置いて、ふっと笑う。


私の棘のある言葉にも、いつも通りの声で、何も変わらない。




「どうした。
なんかイラついてんな」

「別に。
ただ、結婚記念日に他の飲み会って。
翔ちゃんにとって、そんなもんなんだなって」

「仕事なんだから仕方ないだろ」

「……でも!
だったら翔ちゃんがお店予約するとかしてくれてもいいじゃん!」




段々と語気が荒くなる。


翔ちゃんは穏やかな表情だけど


深夜になってさすがに疲れてるのか、ふうっとため息をついた。




「彩が行きたい店の方がいいだろ。
俺はお前の好きなところで……」


「そうじゃないんだってば!
翔ちゃん、全然分かってないよ!」

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