テキストサイズ

♡*:。.rena's world story.。:*♡

第10章 ☆それだけで、幸せ

「……………!」




ぶわっと涙が溢れる。


私の髪をわしゃわしゃと崩しながら、翔ちゃんは目を逸らした。



“ お前が傍にいてくれたら

それだけで幸せ ”



………今、確かに言ったよね?


甘い言葉なんて皆無の、この男の口が


幸せって言ったよね?



心臓が破裂するほど嬉しい。


……だけどさ……!




「そりゃ、私だってそれが1番の根底にあるけど。
つまり……ずっと家にいるのは嫌なの!」


「だから、お前の好きなところにどこでも付いて行くって」


「~~じゃあ、たまにはサプライズとかしてよ!
私がときめくような……」


「したじゃん。 ほら」




私の前にケーキの入った紙袋を突き出して

翔ちゃんはしれっとして続ける。




「あの美少年がお前の為に、心を込めて作ったらしいぜ。

ホールで買ったんだから、責任持って食えよな」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ