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第14章 ★叶わない願い

「………ヒカル」




ヒメがヒカルさんを呼んだけど

彼女は私の方に振り返った。




「美和さん。

ヒメを好きになってくれてありがとう」


「…………!」


「この男、寂しがり屋だけど本気でイイ奴だから。

その手をずっと離さないでやってね♡」




ヒカルさんはもう一度優しく微笑むと


細い手をひらひらと振って、そのままエレベーターへと向かっていった。


その後ろ姿をヒメと一緒に黙って見つめると……


さっき瞬時に感じたもうひとつが、頭の中に蘇ってくる。




「………ねぇ、ヒメ……」




リスペクトしていると彼女自身が言ったように


女の色気も兼ね備えたかっこいい容姿と、そのハスキーボイスは


確かに同じ系統の麗子さんにそっくりだ。



だけど



細い手足が織り成す、ちょっとした仕草


うちのナチュラルテイストとは違って、無彩色のシンプルな私服


そして………




「………美和」

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