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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第14章 ★叶わない願い

「あたしはこれでも4年間、あんたと一緒につるんでたから」




ヒカルさんはニヤリと笑ってヒメに目を向ける。




「ヒメがこの会社にいる理由も

ここでこうして2人で向かい合ってることも

……分かっちゃったなぁ、あたし♪」


「……………」


「彼女は何人?なんて言っちゃって悪かったね。
許してチョンマゲ♡」




ヒメはチッと舌打ちをすると


誰にも言うんじゃねーぞと、一言だけ小さく呟いた。




………なんか、いいなぁ。


不機嫌そうな顔をしながらも、否定しないヒメを見て


ヒカルさんを信用して、すごく良い友人関係を築いてるんだなってことが分かる。


多くを語らずとも理解できる男女って、すごく素敵だよね。




「……本当に良かったね、ヒメ」




さっきとは違う、落ち着いた優しい表情で


ヒメを見て、ヒカルさんはふっと微笑んだ。


……あ……


今の、笑った顔……やっぱり……




「なんか、あたし。

勝手に勇気もらっちゃった」


「…………!」


「想い続けていれば

もしかしたら奇跡が起きるなんてこと

………本当にあるのかもしれないね」




ヒカルさんは宙を見つめて、穏やかな声でそう呟くと


書類をしまったバッグを肩にかけて、すっと立ち上がった。

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