
♡*:。.rena's world story.。:*♡
第4章 ♥2人の優しさ
「……………っ」
胸が熱くなる。
私はバッグを持つと、その右手に自分の手を重ねた。
……伝わる暖かさで、涙が出そうなくらい
その綺麗な手によって、さっきまでの嫌悪感が一気に浄化されるようだった。
「………隼人、アンジーは……?」
私の言葉に、直樹君もハッとして顔を上げた。
直樹君がアンジーに告げた7時半は、とっくに過ぎている。
「……俺のマネージャーは、来ないよ」
「……………!!」
その一言だけで、理解したらしく
直樹君の顔から、みるみる血の気が引いていく。
「 “ オカマ ” “ 男女 ”
どんな言われ方をしようと、彼女は俺が誰よりも信頼する戦友なんだ」
隼人は穏やかに話すけど
その一言一言に、ズシンとくるような重みを感じる。
「由宇の幼馴染だから、逃がしてやるけど。
今後同じようにアンジーと由宇を騙したり、この事を誰かにバラしたりしたら
俺はお前を許さない」
「……………っ」
「いいか? 俺は今警告したからな。
忘れないように、復唱しながら帰ってくれ」
