
♡*:。.rena's world story.。:*♡
第4章 ♥2人の優しさ
「………………っ」
全身に、鳥肌が立つ。
さっき直樹君が語っていた仕事の持論が、霞んでしまうくらい
隼人のひとつひとつの言葉が、染み渡る。
「……な、七瀬……隼人………!」
直樹君が消えそうな声で、その名を口にすると
隣りで立花が苦笑いを浮かべた。
「あーあー、だから言っただろ?
お前を知らない奴なんて、もういないんだよ。
だから俺に任せろって言ったのに」
立花は立ち上がると、テーブルの上の伝票を手に取った。
「早く出ようぜ。
入った時、既に店員が怪しかったし。
“ 素を出してる ” その姿じゃ、そろそろ気付かれる」
立花の言葉を聞いて、隼人はもう一度サングラスをかけると
私に向かって右手を差し出した。
「おいで、由宇」
