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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第30章 ♥隠れて甘いkissをして/wedding ceremony

「…………」



………隼人を育てたことを


あんな風に涙を流しながら、誰かに感謝をされたことは無い。


確かに、由宇ちゃんのご両親の言葉は嬉しかったけど


自分自身に、ここまで隼人を “ 育てた ” という感覚は無かった。




生活や教育の面では、そうだったのかもしれない。


隼人を心から愛して見守っていたのも事実だ。



………だが、それよりも



俺は隼人への “ 謝罪 ” という意識の方が強かった。



妹が隼人に与えた、異常な行為への代償を……



……あいつがまた、本当の父親が生きていた頃に戻るまで



それだけを考えてここまで生きてきたから。





“ ……じゃあ、叔父さんじゃなくて、シゲさんって呼ぶよ。

それならいいだろ? ”





「…………っ」




隼人の言葉が



ずっと、胸の奥で響いている。



………こんな俺が



今日ここで、隼人の父親として参列してもいいのか



当日の今日になるまで、分からなかった。

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