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第7章 ☆甘い誘惑

「ただいま」




マンションについて、リビングのドアを開ける。

ソファに座ってテレビを見ていた旦那が振り返った。




「彩。ビール1本取って」

「……テーブルの上にあるじゃん」

「これ飲み終わったんだよ。
いいから早くして」




はぁ……


あからさまにため息をついて、冷蔵庫を開ける。


酒に強い&この命令口調も最初はモロタイプだったけど、今では逆に鬱陶しい。


缶ビールを先に渡し、買ったお惣菜を温めて、昨日の残りのご飯と一緒にローテーブルの上に置いた。




「……早く帰ってこれるなら、先に連絡してくれたら良かったのに。
駅で待ち合わせして、外食したかったな」

「面倒くせーじゃん。
家の方が落ち着く」

「でも、翔ちゃんだってこんな買ったお惣菜じゃなくて、ちゃんとしたの食べたかったでしょ?」

「俺、食えりゃなんでもいい」




旦那は何も気にする様子もなく、ビール片手に箸を進める。


……普通なら、食に関して興味が無く、何でもイイといってくれる事に感謝するべきだよね。


だけど、私はどこかお洒落なイタリアンとかで、翔ちゃんと食べたかった。




「………はぁ………」




何度めのため息だろう。


私は自分のビールをプシュッと空けて、喉に流し込んだ。

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