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先生、駄目ですっ……

第7章 図書委員の継承 2

「それにここ、なんにも変わってないし……懐かしくて」

ふっと瑞浪先生は寂しそうな顔を見せ、すぐに笑った。


何……今の顔……


見間違いかと思うくらい僅な瞬間だけど、確実に瑞浪先生は悲しそうな顔をしていた。


甲斐先生はその変化に気付いていなかったのか、瑞浪先生の手を引くように図書室から退散していった。


「……なんなのよ。甲斐先生っ……」

二人がいなくなってから一人残された私はカウンターにぽふっと腰を落とすように座った。

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