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先生、駄目ですっ……

第7章 図書委員の継承 2

もっとキスをしていたいけど、外でのキスはリスクが大きすぎる。

私も先生も名残惜しそうに唇を離した。


「瑞浪先生は甲斐先生が先生になって喜んでるんでしょうね……」

「そうかな?」

「絶対そうですって。教え子が跡を継いでくれたみたいな感じじゃないですか?」

「大袈裟だなぁ」

先生と唇を重ねて、気持ちを確かめたからもう怖くない。

甲斐先生の気持ちは十分伝わった。

私はなにも心配しなくていい。


甲斐先生を信じれば、それでいいんだ……

先生と恋愛する。

それは楽なことではない。

誰にも相談できないし、学生と社会人では考え方も価値観も違う。


先生だから他の生徒とも交流はあるし、嫌でもそれを見なくてはならない。


けれどこれは私が選んだことなんだ。


だから私は逃げないで、甲斐先生を信じていく。


けれど私はこのときはまだ知らなかった。



瑞浪先生の結婚相手の名字が田端(たばた)で、『瑞浪』というのは旧姓だと言うことを。



図書委員の継承 2  終わり

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