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先生、駄目ですっ……

第18章 鬼の生活指導教師 最終章

『素直で真面目』……

そのフレーズ、どこかで聞いたような……

記憶を辿り、思い出した瞬間に顔が赤くなった。


阿久津のタイプの女のことだった……


「加賀美がピンチの時はいつも俺が駆けつけてやる」

「ま、またそういう出来もしない偽善を言うっ!!」

「ほんまや。いつでも、俺が助けてやる」

阿久津は真剣な表情で私を見詰めていた。

「……じゃあ、私が卒業しても……助けに駆け付けてくれるの?」

「ああ。当たり前や」

胸が破裂しそうに激しく鼓動していた。

ゆっくりと阿久津の顔が近付いてくる。

「ち、近いし……」

「好きや、加賀美……」

「せ、生徒と教師は付き合えないんじゃなかったのかよ……」

先生っ……
駄目……

琴子に会わす顔がないよ……

ゆっくりと唇が重なった。

その瞬間、体の力が抜けた。

倒れそうになるのを先生が受け止めてくれた。

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