LAST SMILE
第10章 知ってしまった痛み
「麗華・・・?」
「何で、大事にしないの?」
「は?」
「自分の体でしょ?
どうして大事にしようとしないのよ!?
煙草なんて、心臓にも喉にも悪いじゃない!!」
どうして?
なんで黙ってるの?
ねぇ、どうして強がるの?
どうして大切にしないの?
そんなの、意地張ってるだけじゃん。
亜貴が、
心配して言ってくれてるのに・・。
さっきだってこうして駆けつけてくれたのに。
武田くんと磯部くんにも話しておけば、
万一なにかあっても、
みんなは助けてくれるはずなのに!!
「なぁ・・・。あいつらには黙っておけよ?」
「え・・・?」
「たけしと祥吾。
あいつらには知られたくねぇんだ」
「どうして・・・。
だってあの2人だってきっと―」
「頼むから!!!」
祐兎が怒鳴った。
びっくりして押し黙るあたし。
どうしたの?
そんな顔しないで・・・。
そんな悲しそうな、
つらそうな顔をしないで・・。
絶望してるんだって、目がそういってる。
もう諦めてるんだって、そういってる。
やめてよ。
せっかく、
このメンバーに慣れて来たのに・・・。
せっかく、
やっていけそうだなって思ったのに。