LAST SMILE
第16章 なんだよ、って。
*
雪が、冷たい。
確か、
あの日もこんな感じで・・・。
あたしが勝手に飛び出して、
祐兎が追いかけてきてくれた。
だけど、もうそんなことはない。
もうすぐで日付が変わってしまう。
日付が変わる瞬間が、あたしは怖い。
何気なくて、
何も変わらないように見えても
大きな変化はやってくる。
-18歳の誕生日を迎えられないかも-
もし、
この瞬間に祐兎が消えてしまったら?
あたし、
どうすればいい?
ねぇ。
誰か教えてよ・・・。
「祐兎・・・」
なんだよ、って。
名前を呼べば、
そう言ってくれるはず。
振り返れば
祐兎がいるはず。
そう思って、そっと後ろを振り返る。
「・・・・っ・・」
後ろに広がる銀世界。
あの人の姿はなくて。
自然と涙が溢れる。
「祐兎・・・
祐兎ぉ・・・っ!!」
何度呼んでも、あの人は来ない。
あの場所から、出てこられないから。
もしかしたら、もう・・・。