テキストサイズ

LAST SMILE

第18章 最後の歌










それは、よく覚えている。








麗華が、
祐兎に向けたメッセージだったから。














「どこだ?麗華!」



俺は走った。





必死で、
その歌をたよりに探した。






この近くに、あいつらはいる。









どこかで、
どこかで麗華が歌ってる。










悲しそうに、








それでも、







幸せそうに・・・。














雪が降りしきる中、俺は見つけた。














真っ白い世界の中で




祐兎に抱きしめられたまま、






涙を流して歌い続ける、
  愛しいあの子の姿を―






















俺は動けなかった。














声をかけてやれなかった。




















俺じゃ、
あの子の涙は止められない。

















彼女は雪が止むまで、





止まることなく歌い続けていた。








ストーリーメニュー

TOPTOPへ