LAST SMILE
第3章 新しいBlue Sky
*
「さて、全員揃ったから、早速紹介する」
皆がそろって、祐兎が淡々とそういった。
「藤堂麗華。3年C組15番乙女座A型。よろしく」
「ちょっ!!麗華さん、何その自己紹介」
磯部くんが吹きだした。
あれ?
これ、結構本気の自己紹介なんだけどな・・・。
「ね、“さん”付けってやめない?麗華でいいし」
「なぁ、麗華ちゃん、REIって呼んでもいい?」
「おっ?いいじゃん、たけし。
折角使ってたバンド用の名前だし」
“たけし”って・・・。
武田くんのこと?
ああ、“武田真二”で“たけし”ね。
わっかりやすぅ・・。
「えっと、それはReesで使ってた名前だから
別にそれじゃなくても・・・」
「なんで?親しみを込めてそう呼ぼうぜ?
俺の事もたけしでいいし」
なんで?って、こっちのセリフだよ。
どうして“REI”にこだわるの?
普通に麗華でいいのに・・・。
あたしが黙っていると、武田くんは困った顔をした。
「ごめん、そんなに嫌ならべつに・・・」
「え?あ、いいよ、大丈夫“REI”でもいいから。
ね?たけしくん」
あたしがたけしと呼んだことが嬉しかったのか、
武田くんはぱっと顔を明るくした。
この人、分りやすいなぁ。
こんなほんわかした人がほんとにドラムやるのかな?
あたしはそこで重大なことに気付いた。
「ねぇ、あたし、みんなの演奏まだ見てないんだけど」
「「「え?」」」