LAST SMILE
第3章 新しいBlue Sky
武田くん、亜貴、磯部くんは
揃って素っ頓狂な声を発した。
あれ?
そんなに嫌かな?
だって、これから一緒にやってくなら、
実力ってもんを見たいし・・・。
あたしが黙っていると、
祐兎が煙草をふかしながら言った。
「それなんだけど、お前をヴォーカルに加えたバージョンで、曲作ってみた。
バラードだし、お前等なら初見で大丈夫なレベルだから、これ。今からやろうぜ」
そういって、祐兎はみんなに楽譜を渡した。
「ちょっ!?これ手書き!?」
「だから、曲作ったって言ったろ?
オリジナルだよ。オリジナル」
すごい・・・。
あたしらはどっかのバンドのコピバンだったのに・・・。
なんか、
今までめっちゃ得意げだった自分らが恥ずかしい・・・。
みんながスタンバイする中、
あたしは椅子に座ってじっと待った。
祐兎のギターはもう聴いた。
あれだけ上手いなら、他の人たちもきっと・・・。