テキストサイズ

LAST SMILE

第3章 新しいBlue Sky







外は真っ暗で、悔しいけど、
祐兎がいて少しホッとした。


こんな中、一人で帰れなかったし。





「おい、こっちに来いよ。アホ」


「なっ!?あんたねぇ、言い方ってもんが・・・」




そこまで言うと、後ろからいきなり車が走ってきた。





「わっ!!」







突然ぐいっと手を引っ張られて、
あたしの視界が暗くなる。


見上げると、祐兎の喉仏が見えた。




今、この体勢はやばいって!!




ていうか、無遠慮に掴まれたはずなのに、
手、全然痛くなかった。


むしろ優しくて、ふわっとして、熱を帯びていた。


こいつ、こんなこと自然と出来るんだ・・・。



「ご、ごめん」


「ん。気をつけて歩けよ。危ねぇんだから」



とことこと、祐兎の隣を歩くあたし。


何か話題が欲しくて、祐兎の顔を見上げた。



「ねぇ、さっきの名前彫ってたやつなんだけどさ」


「あ?」


「あれ、あんたの名前は入ってなくていいの?」


あたしがそう言うと、祐兎はぴたっと止まった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ