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LAST SMILE

第4章 ふさわしいあたし











屋上へと駆け上がる。


歌詞カードを持って。


思い扉を開けると、そこには亜貴がいた。


ベースを弾いて、だるそうに目を閉じていた。





「亜貴」


あたしが話しかけると、ぴたっとベースの音が止んだ。


「はよ」


眠いのかな?


目を開けてるのがやっとって感じがする。


「眠いの?」


「や。別にそうでもねぇけど?」


「なんか、だるそう・・・」


「いつものことだから、気にすんな」





そっか、それが通常運転なのね。


あたしは構わずに亜貴の隣に座った。


「まず、昨日の曲のおさらい。昨日みたいに歌って」


「うん」


亜貴がベースを持ち直した。


昨日、祐兎が弾いてたギターパートを、
ベースで簡単に弾きはじめる。


自分のパートが出てきたところで、亜貴はベースに戻った。



あたしが歌う。


昨日よりもリラックスして歌えた。


アンプもつながない、小さな音と小さな声。


だけど誰もいない朝の屋上は涼しげで、
楽しくて、気持ちよかった。



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