LAST SMILE
第5章 リストバンド
*
それからのあたしは、
生活が今までと一変した。
まず、休憩時間は常に亜貴と一緒。
周りのクラスメートや、
Reesのファンだった子達が大騒ぎしていた。
そして、彩夏がずっと無視し続けてきた
あたしを気にし始めた。
まぁ、
亜貴と一緒にいるあたしが不思議だったんだろうけど・・・。
そんでもって、鼻歌を無意識で歌ってる時が増えた。
なんでだろう・・・。
上手くならなきゃって思うのか、
楽しくてしかたがないのか、
どっちにせよ、あたしが
ボーカルとしての仕事をこなせるようになってきたってことだよね。
ついでに言うと、もう磯部くんと武田くんとも打ち解けた。
相変わらず、祐兎はムカつくけど・・・。
とにかくあたしの毎日は
Reesのときよりも輝いて見えた。
そんな毎日が続いたある日のこと、
今日もスタジオに集まったあたしたちは、
いつものように合わせ練習をしていた。