LAST SMILE
第5章 リストバンド
*
最近何もいってこないと思ったら!!
祐兎、前より面倒くさくなったかもしれない。
「おら、そこ違ってるぞ」
「ちゃんと当てろや。下手くそ」
「お前、それでも真面目にやってんのかよ!?」
なんか・・・。
イライラしてる。
あの違和感を感じた日から1週間。
祐兎は前みたいにからかってくるでもなく、
かといって、静かになるわけでもなくて、
ただひたすら、
何かあたしに非を見つけては怒り出す。
別にいいけどさ、
なんかテンションの違いっていうの?
ついていけない。
「ごめん」
「ごめんじゃねぇよ。ちゃんとやれ。ぼけ」
「・・・・・・」
だからあたしも何もいわないことにした。
だって、ここであたしが何か言ったら、
なんかもっと悪化しそうだったから・・・。
「モッチー、どうしたんだよ。
今のとこ、そんなに気にならないだろ」
武田くんがいった。
フォローしてくれてありがたいけど、
でも今の祐兎には・・・。
「うっせぇ。妥協すんな。そんなんすっから
こいつがいつまでも上手くならねぇんだよ」
そう吼える祐兎は、煙草を取り出してぴたっと止まった。
あたしと視線があう。
そうすると、軽く舌打ちをして部屋を出て行く。
この繰り返し。
「ごめんね。REI。あいつ、なんか機嫌悪くて」
「別にいい。あたし、あの人のこと嫌いだし」
「そんなこといわないで。仲良くしようよ」
武田くんが必死に宥める。
それまで黙ってみていた亜貴がすっと立ち上がって、
あたしのほうに近付いた。