未来の彼方
第2章 不穏な電話
やっべー!!
何した?
何やらかしたんだよ、俺!!
あの後ダッシュでスーツに着替えて荷物をまとめた。
で、現在は職員用の駐車場で先生を待つ状況。
なになに?
駐車場ってことはどっか行くのか?
俺は車ではなく電車通勤だ。
ということは、西先生のあの素晴らしく綺麗な車で行くってことか?
なんなんだよ、マジで・・・。
「はぁ・・・・」
「どうした。ため息なんてついて」
ため息をついた途端、
背中から低い声が降ってきた。
「に、西先生!!お疲れ様です!!」
「さっきも言ったろ・・・」
「あ、すいません!!」
「準備は出来たな?乗れ」
「は、はい・・・」
西先生に促され、やっぱり俺は先生の黒の愛車に乗せられた。
*
車が静かに走り出す。
俺は助手席にちょこんと座り、
そわそわしていた。
「あの~。今からどこへ行くんでしょうか?」
「・・・・・・」
はい、スルーっすね。
怒鳴られるより、嫌味を言われるより、
何よりも恐ろしいのは「無言」だ。
この沈黙はある店の前で車が止まるまで、延々と続いた。