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真実のノート

第5章 拓人

「啓太くん。この前のお父さんの会社のパーティで会った拓人さん。同い年なんだよ。」

「へー。あ、初めまして。」

俺は頭が混乱していた。
「…拓人さん…?」

「あ、すみません。始めまして。」

そのあとすぐに彼女達は会計を済ませ、お店から出てしまった。
一目で分かった。彼女はあの男が好きなんだ。
そして、あの男も彼女が好きなんだ。
2人の間に俺が入る隙間なんて…1ミリもなかったのだ。

悔しかった。

あの男よりも先に彼女に出会ってたら…

きっと

きっと

彼女は俺を選んだはずだ。
いや、絶対選んだ。

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