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夜が明けても傍にいて。

第27章 私の知らない過去

「出て行くなんて…言うな…。」


「じゃあどうして!」




「話そうと思った…。

だけど、話したくなかったのも事実だ…。」



---話したくなかった…?



「これ以上…俺の汚ない部分を莉菜に知られたくなかったんだ…。」



---汚ない部分?









「俺は…ガキの頃、両親に捨てられたんだ…。」



「え…?」




「母親も父親もそれぞれ他に愛する人ができて
俺が邪魔になって家を出て行ったんだ…。」


「…。」






「弥生は…俺がバイトしてた店の娘で


居場所の無かった俺に居場所を与えてくれて


人生、何もかも諦めていた俺を
大学に行かせてくれて


お金の面でも工面してくれた。


俺は…弥生に出会っていなければ今、こうしてまともに仕事をして生活できていたかどうかもわからない。


弥生は俺にとって…


大事な恩人なんだ。」








衝撃的な内容を並べられて…
そうだったんだ…なんて言える訳が無い…。


慎也が私に隠そうとしていたことがわかってしまったから…





話してほしかったの…。


どんなに辛い過去でも…


慎也のこと全部、慎也の口から聞きたかった。











私が弥生さんに出会う前に
慎也が話してくれていたら







何か違っていたのかな…。













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