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夜が明けても傍にいて。

第29章 二人の未来

慎也は私から一瞬も目を反らさなかった。



その目だけで伝わった。


聞いた私が馬鹿だったんだ…。




「弥生は香水キツいからな…。」



確かに…。



「俺もこの匂い好きじゃないし…

俺が好きな匂いは莉菜の匂いだけだし…。」


「/////」


「早く莉菜の身体中の匂いを嗅ぎたいのに…明日までお預けかぁー。」


「し、慎也っ、声が大きい!/////」


「明日は俺だけの匂いで来るから。

莉菜の大好きな、俺だけの匂いで。


だから…今日は抱き締めてやれなくてごめんな?」



私は全力で首を横に振った。


あんなに香水のキツい人の家に居たら誰だって匂い、移るもんね…。



「莉菜?」


「ん?」




「弥生とは何も無い。」


「うん。」



「とっくの昔に弥生とは終わってる。」


「うん、知ってる。」


「知ってるだと?このヤロー。」


慎也は離れていた距離を少しだけ縮めて私の手を握って笑った。


「ふふっ。」




「莉菜?」


「…?」



慎也の表情が真顔に変わった。







「俺が抱きたいのは莉菜だけだ。






この先俺が抱くのは




死ぬまでお前だけだ。」





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