テキストサイズ

夜が明けても傍にいて。

第39章 番外編⑧

「慎莉、ちょっと来い…。」


課長が低い声で慎莉君を呼んでいる。
一体、この光景を見るのは何度目だろうな。


「慎莉?パパが呼んでるわよ?」

「やだー、行かないー。」


「慎莉…パパが悲しむからあまり冷たくしちゃ駄目よ?」



「ねぇ、ママ…。」

「なあに?」


「どうしてママはパパと結婚したの?」

「え?」




「僕がママと結婚したかった…。」






北崎課長が菜箸を置いて慎莉君に近付いて来る。


まぁ、これも慎莉君が生まれてから良く見る嫉妬のオーラだ。



そして、課長が何かを言おうとした


その時---





「幸美が結婚してあげる。」




......。






「幸美が慎ちゃんと結婚してあげる。」



そう宣言したのは…我が娘だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ