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君の瞳に映るもの

第2章 空白の時間

 あれだけ与えられて、まだ、躯は足りないとでも言うのだろうか。

 時間が経つにつれて、その疼きが大きくなっていくようで、訳がわからない。

 頭では、もう解放してほしいと思っているのに、躯がそうとは云っていない。

 この相違を埋める術を見つけられず、私の頭は混乱していく。

 どうかしてる。

 こんなのおかしい。

 なのに、欲しくて堪らなくなっている。

 どうして。

 自分自身でも制御できないような感情が今にも喉の奥から零れてしまいそうで、それを言葉にしかけて呑み込む。

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