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君の瞳に映るもの

第3章 戸惑い

 あれからどれだけの時間が経ったのか、目を覚ました頃には、すっかり陽が傾いて部屋は闇に包まれていた。

 喉が渇いて、声が出ない。

 躯中が痛くて、動くのも億劫なほどだ。

 闇に慣れた目に、ぼんやりと部屋の様子が映し出される。

 部屋はいつもと変わらない。

 けれど、酷く疲れていて、再び瞳を閉じようとした、その時。

 違和感に気づいて、目を見開いた。

「え……」

 いない。

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