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君の瞳に映るもの

第3章 戸惑い

 その気にさせられるようなキスに困ってしまう。

 いきなり惚れてると言われ、心は戸惑っているのに、これ以上、拒否することができない。

 このキスは私の内側に入り込むための行動に過ぎないのだろうかとか、疑ってしまうけれど、触れた唇から伝わってくるものが確かにあって、胸の真ん中で言葉にならない気持ちが生まれたことに気づいてしまった。

 それを説明しろと言われると困ってしまうけれど、今の私にこの流れを変える術は見つけることができず、手は恐る恐る零一の背中に回る。

 どれだけ流されやすいの、私。

 自覚しながらも受け入れ始める矛盾に、複雑な気持ちが入り雑じる。

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