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君の瞳に映るもの

第3章 戸惑い

 もし、零一がキス以上の行動に出たら、拒否する自信がない。

 初対面だし、合意なのか疑問の残る朝の出来事も、拒否するに充分な理由になるのに。

 私の中の何が零一を受け入れてしまうのか、私にはわからなかった。

 ただ、淋しいだけ?

 独りで過ごす時間が長すぎて、人肌に飢えているのだろうか。

 考えても答えは出ない。

 ただ、熱い。

 そして、何故か、泣きたくなる。

 どうして…――。

 不安にも似た気持ちに駆られ、零一の服の袖をぎゅっと掴むと、ゆっくりと唇を離した零一が、額を合わせ、私の顔を覗き込む。

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