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君の瞳に映るもの

第2章 空白の時間

 私が煙草を吸うかなんて、今はどうでもいい話なんだけど、零一は、全く使い込まれた形跡のない灰皿を眺めて、私と見比べている。

 どうせ、似合わないとでも言うのだろう。

「意外だな」

 その言葉の後に続く言葉は、大抵、決まってる。

 はっきり言って私はこれといった特徴もない、地味な女だ。

 それこそ、煙草を吸うところを見た友人なんかは、口を揃えて似合わないと言った。

 慣れてはいるのだけど、何となく、反発したくなってしまう。

「どうだっていいでしょ。それより、肝心なこと、まだ聞いてない。あんた、詐欺師じゃなかったら、何者なの?」

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