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君の瞳に映るもの

第2章 空白の時間

「俺みたいな容姿……、雅緋、そういうの、何て言うか知ってるか?」

「な、何よ」

「偏見って言うんだ。人知らなさすぎんだよ。見る目ねぇな」

「別に、私に見る目がなかろうが、あんたに関係ないでしょ」

「まぁ、関係ないと言えばないが、もう少し見極められるようになってもらわないと、困るな。でないと……」

「な、何よ……」

 途中で言葉を切ると、零一の手が私に伸び、引き寄せる。

 灰皿を渡した時の距離のまま、離れることを忘れてしまったことを後悔するけれど、遅かった。

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