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君の瞳に映るもの

第2章 空白の時間

 零一の胸に飛び込むような形になってしまい、体勢を直して離れようとするけれど、零一がそれを阻んだ。

「……俺みたいな男をまた拾わないとも限らないからな」

「ちょ、離しっ……!」

 一瞬、ドキッとするけれど、初対面という関係の浅さを思い出し、ハッとして腕を突っぱねる。

 けれど、零一はそれを予想していたのか、突っぱねた私の腕を強く掴むと、一瞬、足元を見て、その足を払った。

「えっ、なっ、ちょ……!」

 躯を支えられなくなり、浮いた躯がベッドに投げ出される。

 二、三弾んで落ち着いた視線の先には、私を覗き込む零一の整った顔と、真っ白な天井が見えた。

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