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君の瞳に映るもの

第2章 空白の時間

 やだ、このキス……。

 妙な色気というか、雰囲気が醸し出されていて、変な気分になってくる。

 わからないことだらけなのは相変わらずなのに、きゅんとしてる私の神経ってどうなってるの。

 冴えない学生時代を過ごして、正直、恋愛や男に対する免疫が圧倒的に少ないと言える私には、このタイミングでのキスにどんな意味があるかなんてわかるはずもなく、かといって、きっぱりと抵抗を示して拒否することもできずに零一の腕の中で、そのキスに応え始めていた。

 私が抵抗しないとわかると、零一の舌が誘うように動き、その動きを止めないまま、私の指先を探す。

 腕からゆっくりと撫でるように指先へ向かう手は、払いのけようと思えば、いくらでもできた。

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