双子のお兄ちゃん
第14章 幸福
「………っ!!」
「……いい加減に……しなさい…!!……蒼…」
「…………さ……ぃ……」
「…うるさいうるさいうるさい!!!本当の母親でもないくせにっ!!」
「……蒼っ!!」
「…俺の名前を呼ぶな!!……本当は…本当はわかってないくせに……翠と俺の区別もつかない奴にとやかく言われる筋合いなんてない!!」
「………っ!!」
(……えっ……お母さんが…翠にぃと蒼にぃの区別がつかない……?)
「……嘘…でしょう?」
私は ついそう口に出していた
すると蒼にぃは私に向き直り
「……嘘じゃない。本当のことだよ…だから…俺は、翠と区別させるために『美代子さん』と『剛さん』と呼ぶようにしたんだから…まぁ、自分の本当の親じゃないとわかった時に『お母さん』や『お父さん』なんて呼べなくなったのも事実だけど……」
私達は ただただ蒼にぃを呆然と見つめることしかできないでいた……
翠にぃを除いては………