双子のお兄ちゃん
第9章 *蒼side*
数秒間の沈黙……
「…………」
「…………」
俺たちはお互いに相手を見つめ返す……
そして この沈黙を破ったのは 翠だった
「………お前…何言ってんの?」
翠はいままで聞いたことのないような低い声で 俺に言った
「……何って?…今さっき言った言葉の通りだけど?」
俺はあくまで冷静に……
そして 笑顔で返した…
それが気に入らないのか 翠は突然立ち上がり 俺の胸ぐらを掴んで叫んだ
「……お前!!何言ってんだよ?!お前は瑠璃が好きじゃないのか?!」
翠の手は 怒りで震えていた
「……俺は…好きだ……誰にも渡したくないし…もちろん蒼にも……」
「………だよ…」
「………は?」
「……俺もだよ…翠……」
「………なら…何で……」
「……話すからさ、先に手を離してくれない?」
翠は素直に俺から手を離してくれた
「……はぁ~……苦しかった……」