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*世界で一番愛する人へ*

第12章 *ひなの婚約者*

ひなside


食事を始めてすぐに、起こって欲しくないことがおきた。
……婚約の話。

相手のお母様が、話を降ってくださった。
ここは普通、嬉しいだとか、そんな感じで答えるべきだと思う。
……だけど、私はそうは答えられない。
『……ごめんなさい。
この婚約のお話、無かったことにしていただけませんでしょうか。』
母「ひな?」
この子は、何を言っているのか。そんな目で見られた。


相手の方が口を開いた。
「好きな人がいるんでしょ?
誰ですか?それ。僕の知っている人だと思うんです。」
日本語で話してきた。
『和くんです。』
「和くんって…………和也?」
『えぇ。』
この人、和くんの事、知ってるのね。
「………それなら、僕もごめんなさい。」
え?
どういう事?

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