テキストサイズ

うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第6章 お前と違って可愛いよな

幸せそうな顔をして、うっとりと目を閉じる音羽。

そんな妹を見て、蘭の心には益々怒りが込み上げる。


「……らーん♡」

怒りに震える蘭を見兼ねて、父親が両手を広げてみせる。

その胸に飛び込んだ蘭を見て、むぅと音羽が爆笑する。

楽しそうに笑い合うむぅと音羽の姿に、蘭は悔しさに顔を赤くした。


「ふふっ、これって”恋のシンバル”ってやつね」

優しく蘭の頭を撫でながら、母親が小さな声で呟く。


「それを言うなら”カスタネット”でしょ」

フイッと顔を背け、蘭は父親の腕から抜け出す。


「……”トライアングル”だな」

娘の柔らかな温もりが去り、寂しそうな顔をした父親が呟いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ