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うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第10章 好きだ

由莉奈たちに囲まれて、教室を出て行くむぅ。

誰よりもはしゃぐ由莉奈は、むぅの腕に抱き着いたままだ。


ポロ…

蘭の頬に涙が零れ落ちた。

拭う事も忘れたそれは、後から後から溢れて落ちる。


「あんなあからさまに目を逸らしてさ、むぅ…酷く傷付いた顔してたよ?」

拳を握り、怒りを堪える和佳の声が震える。

手に入れたくて仕方なくても、人の心だけは簡単には手に入らない。

まして、恋心となれば尚更だ。

なのに、

欲しくて欲しくて仕方なかったむぅの心を…

手に入れられるのに、わざと突き放す。

そんな蘭に、和佳はどうしようもなく苛立った。


「傷付いて…た……?」

そう呟いて、自分まで傷付いたような顔をする蘭が許せない…

和佳は思わず声を荒げた。


「泣いてる暇があったら追いかけたら⁉︎」


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