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うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第10章 好きだ

蘭を睨むようにして、そう告げるむぅ。

目を見開いたまま、蘭は言葉を返す事が出来ずにいた。


「あの”好き”は、なかった事にして」


冷たくそう言うと、むぅは蘭の横をすり抜けて自宅へと入っていく。


見開いた蘭の瞳から、ポロポロ涙が零れ落ちる。

「バカ…バカバカ……私のバカやろ……」

ヘナヘナとその場に座り込む蘭。

同じように、玄関を入ったむぅもその場にしゃがみ込んでいた。


「……ヘタレむぅ」

ポンポンとむぅの頭を優しく叩くむぅの母親。

「仕方ない、っだろ……叶わなかったんだから…っ……目も合わない、話し掛けても…返事もなくて……っ…それならいっそ、なかった…事、に……っ」

可愛い三男坊の涙声に、母親も一瞬声を詰まらせる。


が、すぐに明るく笑うと、

「今日はむぅの好きなカレーだよ。超激辛にしてやるから、辛さに思い切り泣け」

パタパタとキッチンへと駆けて行った。

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