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うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第10章 好きだ

「むぅ……っ‼︎ 」

辺りが暗くなってきた頃、ようやくむぅが帰宅する。

その姿を部屋の窓から見掛けて、蘭は慌てて外へと飛び出した。


「……何だよ、待ってたのかよ?」

冷たく言い放っても、むぅの口元が少しだけ嬉しそうに緩むのがわかる。

だから、聞きたい。

もう一度…

そうしたら、自分も素直に気持ちを伝えよう。

そう決意して、蘭は震えそうになる声を絞り出した。


「むぅ……好き…って……何、を?」

「は?」

苛立たしげな視線を返されて、蘭はゴクリと生唾を飲み込んだ。


「わ、私…が、好き? それとも……」

「別に、”蘭が”好きだって言ったんじゃない」


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