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うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第14章 タチの悪い女 <夏休み特別編>

「凛と蘭って、なんだか姉妹みたいね」

楽しそうに笑う凛に、女同士なのに蘭の心臓がドキドキと騒ぎ出す。


「本当の姉妹なら良かったぁ! そしたら、私も凛さんみたいに美人で抜群のスタイルで……”初めて” も堂々とむぅにあげられるのに……」

どんどん声の小さくなる蘭の背中を、励ますかのように優しく摩る凛。


「凛さんは大人の恋とかいっぱいしてそうですね」

自身のペタンコな胸と、目の前の豊満な胸を見比べて、蘭はため息を零す。


「………そんな事、ないよ?」

「え?」

ふ…と凛の笑顔が曇る。


「一生のうちでする恋は一つでいい。

私は、初めての人と添い遂げられたら素敵だって思ってる……」


どこか泣き顔にも見えるのに、その顔ですら美しいと思える。


「初めて好きになって…初めて付き合って……

初めてのキスに、初めてのエッチ…

そのまま……私の人生の最初っから最後まで蓮だけでいいのに…」


ツー…と、凛の頬を涙が滑り落ちた。


「凛、さん?」

弾かれたように凛に抱き着いた蘭。

「あ、ごめん!」

言いながら、凛はそっと零れた涙を拭う。


「蘭ちゃん…

”初めて” って大事だから、その時が来るまで大事にしなきゃダメだよ?」

優しい笑みに、

「……はい」

蘭も笑顔で頷いていた。



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