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うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第14章 タチの悪い女 <夏休み特別編>

大事に…

大事に……

蘭が大事に貞操を守るうちに、

夏休み最後の週末が来て、

月曜からは新学期が始まる。


土曜日の今日は、この辺りでは大きな花火大会がある。

煌太と音羽は、互いに浴衣を着込んで花火大会へと出掛けて行った。

むぅと蘭はと言えば…


「蘭……ここも間違ってる」

「えーっ、やってる暇ないよ! まだこっちが終わらない!」


書き写すだけの課題は1ページずつズレていてやり直し。

問題集は下敷きを挟んでいた裏側ページを全部すっ飛ばしていて、半分残っていた事になる。

夏休みの課題はとっくに終わらせていたと思っていたのに、最終確認で発覚した蘭の悲惨な状況。


今日明日で仕上げ切れるかどうか…

花火大会は諦め、2人はむぅの部屋で必死に課題を終わらせていた。



ドォ─────ン…


会場は遠いから、むぅの部屋の窓からは小さな花火が見える。

少し遅れてなる音に、蘭は半泣き顔を上げて外を眺めた。


「来年は花火会場まで行って見ような?」

ガシガシと髪を乱されても、その言葉が嬉しくて、

「うん!」

蘭はぐしゃぐしゃの頭で嬉しそうに笑う。


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