テキストサイズ

うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第15章 6月9日〈2回目の誕生日特別編〉

そういえば…と、翼はジーンズのポケットを探る。

「……あった」

小さく呟いた翼。

慌てて伸ばされた深雪の手を避けて、

「蘭ちゃん」

チョコペンで、クッキーをデコる蘭の元へと歩み寄った。


「彼氏へのプレゼントはこのクッキーなの?」

必死さの伝わる蘭のチョコペンお絵描き。

だが、そこに描かれているのが文字なのか絵なのかは翼にはわからない。


「むぅの1歳の誕生日から毎年クッキーをあげているの!今年で17年目だよ!すごくない⁉︎ 」

キラキラと瞳を輝かせる蘭は、満足いく写真が撮れた時の翼の彼女と被る。


「じゃあ今年はおまけ付き。頑張った蘭ちゃんにご褒美。彼氏にあげて?」

翼に渡されたもの…

黒い袋に傾向で書かれた ”光っちゃう” の文字。

目に付いた ”ゼリー” の文字に食べ物だと判断した蘭。

「ありがとう!」

笑顔で受け取ってラッピング用の袋の中へとしまった。


口元を手で覆い、肩を震わす翼。

そんな翼を呆れたように見る深雪。

2人を気にすることもなく、蘭はもう一枚のクッキーへチョコペンを走らせる。


「蘭ちゃん。さっきの問題の答え、覚えてる?」

翼の言葉にピタリと止まる蘭の手。

翼はその問題を読み上げ、答えへの行程を読み上げていく。

「そうなると、答えは?」

翼の言葉に、

「はい!わかりました!」

スラスラ…

チョコペンを走らせた蘭。

覗き込んだ翼は、

「…………え?」

クッキーに書かれた答えに唖然とした。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ