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うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第15章 6月9日〈2回目の誕生日特別編〉

重なる唇は、激しさを増していく。


「ん…っ、ぁ…」

欲情のままに、

激情のままに、

その想いをぶつけてくるむぅの舌に、

蘭は必死に応えようと舌を絡ませる。


だけど…

「っ……は、ぁあ……」

慣れない大人のキス。

上手く呼吸が出来なくて、苦しさに蘭の瞳から涙が零れ落ちる。


付き合って4ヶ月…

蘭にはまだ、これが精一杯。


チュ…と小さなリップ音を響かせながら、むぅの唇が離れて…

名残惜しげにそれを追ってしまった視線を、蘭は慌てて逸らした。


ラッピングを解けば、中にはクッキーが2枚と…

「─────…っ⁉︎ 」

翼がくれたプレゼントを見たむぅの顔がみるみる赤くなっていく。


「え?何?これ、食べ物じゃないの⁉︎ 」

よくよく考えれば、食べてる口の中が光っても気持ち悪い。

だけど ”ゼリー” って…食べ物、だよね?

その正体を確かめたくて伸ばした蘭の手から、むぅは慌てて ”それ” を後ろ手に隠した。


「……知らなくて買ったのかよ?」

茹で上がりそうなむぅの真っ赤な顔に、つられて蘭の顔まで赤く染まる。
 

「あの、ね。翼くん…勉強教えてくれた大学生がね……むぅにって、くれたの……」

恥ずかしい…けど、その正体が気になって仕方ない。

チラッとむぅの後ろ手を気にしてみるけど、当たり前ながら蘭からは見えない。


そんな蘭の仕草に、

”翼くん” 蘭の口から溢れた男の名前に、

「……ムカつく」

むぅは小さく呟いた。


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