冴えかえりつつ 恋
第10章 発作
遥暉は、地下鉄の駅近くの公園で上出と17時に待ち合わせの約束をしていた。
公園の広場では、初めて遥暉が上出に憧れを抱いた年頃の少年少女たちがサッカーボールで遊んでいる。
ベンチに腰掛けて今映画館でかかってる戦争映画の原作という文庫本を読んでいた。
ふいに誰かが声をかけてきた。
「丸山君?」
顔を上げると、泰弘が立っていた。
「やっぱり丸山君だ。上出君と待ち合わせ?」
「はい」
どうして部活のない3年生がこんな時間にいるのかといったように首をかしげる。
「本屋さんに寄って来たんだ。
丸山君たちも待ち合わせなら、あのビルの本屋はいいよ。
座る場所もあるしね」
笑いながら泰弘は遥暉に並んでベンチに座って、しばらく他愛のない話をしていた。
誰かが遥暉を呼んだ。
「遥暉・・・」
遥暉は声だけで、それが上出と認識し立ち上った。
「上出先輩・・・」
遥暉は2,3歩ふみだしたが、途端左足に力が入らず左側へ態勢が崩れた。
「あぶなッ・・・・!」
「ッ!!」
泰弘が声を上げた瞬間、上出は咄嗟に崩れ落ちる遥暉を下から掬い上げるように支えた。
公園の広場では、初めて遥暉が上出に憧れを抱いた年頃の少年少女たちがサッカーボールで遊んでいる。
ベンチに腰掛けて今映画館でかかってる戦争映画の原作という文庫本を読んでいた。
ふいに誰かが声をかけてきた。
「丸山君?」
顔を上げると、泰弘が立っていた。
「やっぱり丸山君だ。上出君と待ち合わせ?」
「はい」
どうして部活のない3年生がこんな時間にいるのかといったように首をかしげる。
「本屋さんに寄って来たんだ。
丸山君たちも待ち合わせなら、あのビルの本屋はいいよ。
座る場所もあるしね」
笑いながら泰弘は遥暉に並んでベンチに座って、しばらく他愛のない話をしていた。
誰かが遥暉を呼んだ。
「遥暉・・・」
遥暉は声だけで、それが上出と認識し立ち上った。
「上出先輩・・・」
遥暉は2,3歩ふみだしたが、途端左足に力が入らず左側へ態勢が崩れた。
「あぶなッ・・・・!」
「ッ!!」
泰弘が声を上げた瞬間、上出は咄嗟に崩れ落ちる遥暉を下から掬い上げるように支えた。