冴えかえりつつ 恋
第11章 親友以上、恋人未満
「これは山口圭一、僕の親友。
今日は突然一緒に行くっていうものだから、ごめんね」
「初めまして、丸山遥暉です」
申し訳なさそうに2人に圭一を紹介する泰弘に、遥暉は微笑んで圭一に頭を下げた。
圭一は、新年度が始まるなり校内を駆け抜けた『超キレ面の編入生』と泰弘が親しいと聞き、一目見てやろうという軽い気持ちで美術展のおともをすることにした。
しかし予想以上の美丈夫な二人を見て貴重な受験勉強の時間を削って出てきたかいがあったと感心していた。
「君が泰弘のお気に入りの『マーメイド丸山君』か、本当に美人だな。よろしく。」
遥暉の可愛い笑顔に思わず顔がほころぶ。
「上出倫典です」
「あ、ああ。よろしく、君がナイト君ね」
190cm近い長身に逆三角形のクールな上出より、目の前の可愛い二人に浮かれた。
今日は泰弘が伊達メガネをはずして、髪も軽くセットして可愛い顔の全貌を見せている。
――丸山と泰弘が並んで歩くと、まるで天使が飛巡しているようだ。
受験勉強の合間に目の保養だな。