テキストサイズ

冴えかえりつつ 恋

第3章 わだかまり

以前、何度も遊びに来たことがある上出の部屋へ遥暉も入る。


白を基調とした清潔感があり、スッキリと整理整頓された--上出らしい部屋。


壁には、県立月陵高校の制服が掛かっている。


「 フフッ」


遥暉が微かに笑った。


「 なんだよ…、そこ座れ」


上出は自分は勉強机の椅子に座ってクルリと椅子を回し振り返り、遥暉にベッドに腰掛けるよう仕草で勧める。



「 あ…ええと、高校も詰襟学ランなんですねーー」


「 ああ? 制服のことか?中学の頃と代わり映えしないだろ」


「 まあ、そうですね。でも・・・・・・、先輩は詰襟が似合っていて、カッコイイと思います」



遥暉は学生服姿の上出が大好きだった。



学生服を着ると案外着痩せしてみえた。細くて長い指で窮屈そうに詰襟を引く仕草が遥暉は好きだった。



無論、目の前のTシャツにジーンズ姿の上出も、大人びて、逆三角形の背中と長い手足に見惚れてしまうほどだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ