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冴えかえりつつ 恋

第3章 わだかまり

「 そうだ、今だから言いますけど、入部希望で部室に行った時に、

--女子水泳部の部室は隣だ。

って、言われて傷つきました。
学ラン姿ですよ。」


「 誰が、そこまで言うか?」


「 俊郎先輩です。」


「 俊郎らしいな、あいつ


--遥暉が歩くと白百合の背景が見える。


って、大騒ぎしてたよ。 」


「 えぇ、先輩達は僕のいないところで、そんな話していたんですか?!
真剣に悩んでいたのに・・・・・・。」


「 お前、人気者だったからな。」


遥暉は4人兄弟の末っ子で育ったせいか、場の空気を読むのが上手く、甘え上手で皆に可愛いがられていた。



中でも上出は小学生からの付き合いで、自他共に認める一番の仲だった。



だのに、上出は怪我のことを全く知らされていなかった。

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